学校のテストには出ない、大切なコト
大人になったらどうして仕事をしなくちゃいけないの?
「数学は得意?」なんて質問すると、
「ダメ、オレ苦手」と即答する子も今は少なくないようです(笑)。
「足算・引算・掛算・割算で十分じゃない?」
と感じている子もたくさんいます。
にもかかわらず、子ども達はそれ以上の「数学」を勉強させられています。
どうしてでしょう?
是非お子さんと一緒に考えてみてください。
どうして、数学を勉強するの?
数学は"論理的思考"と"発想力"を身につける学問です。
・・・と書いてしまうと、余計難しくなってしまいますので、分かり易い例を挙げます。
例えば、6匹の猿に、1枚のピザをあげたら、「ウキキィー」と騒ぎながら奪い合いが始まります。まさに 早いもん勝ちの世界。
でも 数学を身につければ、
「ピザ全体の360度を6等分すれば一枚当たり60度だ」
と、論理的にピザを均等に分け、争いを防ぐことが出来ます。
「体の大きさによって食べる量が違う」
と言われたら、”体重比”や”身長比”でピザを分けることも出来ちゃいます。
「論理的である」ということは、イコール「誰でも納得できる」ということなのです。
数学ってスゴいと思いませんか?
子どもに教えたいこと
数学を勉強する目的(その1)
人間は、「共通の単位(cm, kg, ℃など)」を決めて、あらゆるものを数字に置き換えて生活しています。
『距離』や『角度』、『面積』といった 目に見えるものだけでなく、
『時間』や『重さ』、『温度』といった 目に見えないものまでも 数字に置き換えて表現し、日常生活に利用しています。
「ねぇお風呂の温度見て」
― 「42度だって。ちょっと熱いんじゃない?」
「ちょっとスピードの出し過ぎでしょ」
― 「ホントだ。120km/hも出している」
「市役所まで1kmだって。車で行く?」
― 「歩いて15分の距離だろ。歩く歩く!」
数学とは、あらゆるものを共通の単位と数字で表現し、モノゴトを客観的に理解・説明することで、日常生活を便利にすることを目的とした学問なのです。
数学を勉強する目的(その2)
数学の問題を解くには、まずその問題が何を求めているのかを正しく理解する「理解力(読解力)」が求められます。
そして、次に必要なのが「発想力」や「応用力」。
答えは1つでも、その答えを導き出す方法は必ずしも1つとは限りません。
「どう考えれば良いのかなぁ?」
と頭の中のCPUが回転し始めます。
過去に解いた問題を応用する方法で考えたり、仮説を立てて考えたり。
そして、問題を解く方法が複数思いついた時は、
「どの方法が、効率良く(=短時間で)解くことができるか?」
なんてことまでも考えます。
数学の問題を解くことで、
「読解力」や「発想力」、「応用力」などの、様々な能力も養うことができるのです。
地球の周囲は何キロメートル???
人類が始めて宇宙に飛び出したのは、1961年。
それよりも150年以上も昔に、地球の周囲を計算した日本人がいました。
日本の実測地図「日本沿海輿地全図」で有名な伊能忠敬です。
人工衛星も飛んでいない江戸時代に、伊能忠敬はどうやって地球の周囲を計算したのでしょうか?
----- 【答え】 ---------------------------------
2地点の距離と、その2地点から見える北極星の角度から地球の周囲を計算しました。
北極星は、どこから見てもほぼ真北にあり、動かないことが分かっていましたので、南北を通る同じ経度上の2地点の距離と、その2地点から見える北極星の角度から、地球の周囲を計算したのです。
1803年の出来事。
(伊能忠敬氏の発想力には脱帽です)
子どもに
「数学なんて、足し算と引き算が出来たら十分でしょ?」
と訊かれた時は、「そうかもね」なんて淋しいことを言わずに、
「数学を通して身につけることができる力ってたくさんあるのよ」
と教えてあげて下さい。
【各教科の目的】
1. | なぜ、国語を勉強するの? | 5. | なぜ、英語を勉強するの? |
2. | なぜ、数学を勉強するの? | 6. | なぜ、美術を勉強するの? |
3. | なぜ、理科を勉強するの? | 7. | なぜ、道徳を勉強するの? |
4. | なぜ、歴史を勉強するの? |