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親子間のハグ(2/2) ≪ファミリー≫ 東京都 会社員 かまぼこ山 2012.6.26

「仕事から帰ってきた時、あなたのことよくぎゅーってしてたでしょ」

母のその言葉で、昔のことを思い出しました。

幼稚園〜小学生時代、父は単身赴任で地方にいったままで、うちは実質的には"母子家庭"でした。

母も働いていて、学校から帰ってきても家には誰もいなくて一人っ子の私はしょっちゅう淋しい思いをしました。

そんな中、母が会社から帰ってきた時に、「こっちにおいで」と呼ばれてぎゅーっとされたのを覚えてます。

冬の寒い日は「あったか〜い」なんて言われて…。

「あなたのことギューっとした時はね、だいたい会社で嫌なことがあった日だったのよ」

そう笑いながら話す母。

そうだったんだ。

「そうねー、あれはあなたのこと抱きしめてたんじゃなくて、お母さんが抱きしめてもらってたのかな」

そうすることで、"よしっ、明日もまた頑張るぞ!"という元気をもらってたのだそうです。

私は私でそうしてもらえることで妙に安心したものでした。

「ねぇ、久しぶりにぎゅーってしてあげようか?」

突然母が私にそう言いました。

「いいよ、もういい年だし。今更恥ずかしいよ」

と遠慮したのですが、「バカねぇ、誰も見てないんだから」と手を伸ばしてきて、ギューっとされました。

「あなたは私の自慢の娘よ」

私を抱きしめながら余計なこと言うから、涙が出てきてしまいました。

「ありがと」

そう言って、しばらくそのまま甘えました。

親子間のハグっていいですね。

時間にすればわずか10秒。

でも、100の言葉を並べるよりも伝わるものが多いように思います。

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