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入院先の病室で (4) ≪育児・教育≫ 埼玉県 会社員 せや 2008.08.06

比較的軽度の知的障害で、社会人として自立することが十分可能な障害児・者の教育や福祉支援を行なっている「あかねの会」という社会福祉団体が都内にあります。

その団体のことを知った病室のおばさんは、誠君をその団体が運営する「グループホーム」という寮に預かってもらうことにしました。

離れ離れの生活がしばらく続き、数ヶ月ぶりに誠君が自宅に帰ってきた時、寮での生活にすっかり慣れてしまったせいか、誠君の日常生活ぶりに大きな変化が見られたのだそうです。

最初に驚いたのは、
食事の後に自分で台所に食器を運び、自分でお皿を洗い出したこと。

自分でお皿を洗うなど、これまで誠君がやったことなどなかったので、おばさんは感激して翌日あかねの会に電話をしたのだそうです。

「夕べ、うちの子が自分でお皿を洗ったんです!」

すると、担当者の方は淡々と

「お母さんが今までやらせなかっただけですから」

という言葉が返ってきたそうです。

次に驚いたのは、自分の部屋の掃除を始めたこと。
これにも驚いて、あかねの会に電話をすると、

「誠君は何だってできます。ただ、お母さんが今までやらせなかっただけですから」

とやはり同じことを言われたそうです。

おばさんは、私に言いました。

「私はずっと、"子育て"とは"子どもの身の回りのことをしてあげること"だと思ってた。けど、それは大きな間違いだって気付かされたねぇ。子どもが自分でできるよう、子どもにいろんなことをやらせることが母親の役目なのよ」と。

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