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入院先の病室で (3) ≪育児・教育≫ 埼玉県 会社員 せや 2008.08.01

知的障害を患った子どもの家族が集まり、ボランティアの方々とひと時を過ごす「とうなす会」という会が埼玉県川口市にあるのだそうです。

友人からその会のことを知った病室のおばさんは、月に一度長男を連れて会に参加するようになりました。

その会は、お母さん方の日常の心労を和らげる目的もあり、お母さん方がお互いの家庭の話をする間、ボランティアの方々が知的障害の子ども達を看てくれるのだそうです。

そこに、いつも障害児の子どもたちと一緒に楽しそうに遊ぶ二人の幼い姉妹(6歳と4歳)が参加していました。

口からよだれを垂らす子の口にクッキーを入れてあげ、「おいしー?」と会話したり、車椅子を「よいしょ、よいしょ」と押してあげたり。

会に参加する子どもたちみんなから慕われていて、その姉妹はいつもみんなの人気者だったそうです。

容姿や言動を見る限り、その姉妹に知的障害があるようには見えません。

それを不思議に思ったおばさんは、ある日その姉妹を連れてきているお母さんに尋ねたのだそうです。

「失礼ですが、お二人のお子さんは障害を持っているのでしょうか?」

するとそのお母さんは、

「おかげさまで、うちの子たちは障害なく生まれてくることができました」

その返答に驚いたおばさんは、更に

「ではどうしてこの会に参加しているのですか?」
と尋ねると、そのお母さんは、

「習い事も大事、お勉強も大事、でももっと大事なのは家族や友達を自然に愛する優しい心を育てることだと思っています。そうした心は自然に備わるものではなくて、育てるものだと思っています。人を差別しない、心の広い人間に育てたいと思って、この会に参加させてもらっているんです。」

その言葉を聞いて、おばさんは頭をガツンと殴られたような気になったそうです。

「私はね、もし長男に知的障害がなければ、"とうなす会"のことを知りもしなかったし、知ろうともしなかった。だからね、そのお母さんの話を聞いた時は、「あの子よりはうちの子の方が症状が軽い」などと比較していた自分が恥ずかしくなってね」

とうなす会で多くの人と出会い、多くの人の言葉を聞いて、「子育て」とはどういうことなのかを学んだと おばさんは私に話してくれました。

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